フランスの学校給食を変えた法律エガリム法③給食はどう変わった?2022/10月

エガリム法 Lois Egalim(食品三部会法、)

ここがポイント エガリム法のその後

  • エガリム法制定、気候レジリエンス法制定後、3年で有機土地面積は1.38倍でフランスはヨーロッパ最大の有機栽培土地面積になった。
  • エガリム法は地産地消に対応していない。
  • オーガニック給食が進んでいる地域は、オーガニック農業が盛んな地域でもある
  • 確実にオーガニック給食が進んでいる
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フランスの学校給食を変えた法律エガリム法①
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フランスの学校給食を変えた法律エガリム法②

 フランスがヨーロッパ最大の有機土地面積に

有機土地面積が280万㌶に加え、有機転換中が22万㌶で10.34%の土地がオーガニックとなりました(2021年Agence bio資料より)

ヨーロッパで最大のオーガニック土地面積となりました。

2012年からの有機土地面積の推移、水色が認証済、グリーンは慣行農業から移行中

2014年農業、漁業に関する法律

2018年エガリム法により、学校給食に20%のオーガニック食材導入

2021年気候レジリエンス法制定、エコロジック産業加速プラン

また同時にフランス人の有機認知率が高く、90%は有機商品を購入したことがあります。

エガリム法を後押しする認証

「調理場のエコサート」

エコサート認証を受けたフランス全土の共同食堂の調理場

エコサートは、共同食堂に対し、「調理場のエコサート」認証を整備し、オーガニック給食を後押ししています。

①オーガニック、地場産の食材利用率

②自家製、旬の食材を利用した高品質な食材導入しているか

③食品廃棄物に対しての対策がとられているか

④環境に配慮された洗剤などを導入しているのか?

などが審査基準になり、認証基準4段階のステップになっています。

調理場エコサートのメリット

調理場の価値を表す指標となり、4レベルのステップ認証により、高品質でローカルオーガニック給食の進捗を測ることができます。

給食実施主体はもちろん、地域、父兄、一般の方にも認識され、改善にも貢献します。

エガリム法制定後、給食は変わったか?

オーガニック導入率

エガリム法の盲点

エガリム法制定後、オーガニック給食はどのくらい進んだのでしょうか?

2020年コロナパンデミックの影響で、学校が一部休校になるなどの影響がありました。

エガリム法は、給食購入食材の20%がオーガニックと定めています。

フランスの農林水産省にあたるフランス農業・食料・漁業・農村省によると、2021年に給食の有機食材購入額は3億7700万ユーロ、総購入量の6.6%に達しました。

 9536の給食施設アンケートによると、毎年オーガニック購入率は上昇傾向にある。このサンプルは全部の施設ではないため、正しいオーガニック食材使用量はわかっていないが、上昇傾向にあることがこのグラフから分かる

エガリム法は、高品質、オーガニック食材導入を義務付けていますが、

実は地産地消には言及していません。

行政や学校の考えに委ねられていますが、オーガニックとローカルは一緒に進めるものと言う考えが浸透していると感じています。

オーガニック導入により、購入に関してサプライヤーの変更や、価格の調整とより高品質で健康配慮されたものを求めて加工度合いの少ないもので、ローカルなものを選ぶ傾向にあります。

一般に提供される給食は5皿くらい、5皿のうち1.5皿はローカルリソースの食べ物であった。

オーガニックが盛んな地域

ドルドーニュ県の給食

フランスのオーガニック農業が盛んな(20%以上の農地がオーガニック)地域は、18地域

18地域では、他の地域よりもオーガニック給食率が高い事がわかっている。

ドルドーニュは、手作り、ローカルオーガニック給食の先駆者です。

この地域では、プラットフォームの整備で流通システムの確立、調理師、栄養士のグループCPPフランスをパートナーにオーガニック給食を進めてきました。

CPPフランスとの協働作業により、7つの中学校は100%手作り給食を実現しました。

また、エガリム法により、更に目標が高く置かれ、6年後に35の中学校でオーガニック100%を実現する計画が進んでいます。

35の中学校(20万食/1年)で必要な農地は41㌶、幼稚園から高校まですべて賄うとすると、353,000㌶の土地が必要です。中学校をローカル、オーガニックにすることで260万−300万ユーロ(約5億円)が地域の農家へ経済効果があります。

農政課、調理師、栄養士とともに地域経済を大切にする計画が進んでいます。