オーガニック給食実現の方法

文化学院杉並中学・高校のオーガニック給食課題から実現まで。事例をもとに、永続的なオーガニック給食実現を考える。

2023年12月25日、オーガニック給食が実現しました。この事業により、どうすればオーガニック給食が実現するか?に一歩近づきました。3回に分けて、課題抽出と実現方法を考えます。

  1. 学校の課題と実現前の課題とは?
  2. 流通の課題とは?
  3. どうすれば続けることができるのか?毎日できるオーガニック給食を考える。

高校の先生が日々感じていたこと〜食と教育

染谷先生からメッセージを頂くところから、ストーリーがはじまります。学校生活の中で、日々、こんなことを感じているといいます。

文化学院杉並中学・高校の課題

  • 給食を平気で残し捨てる生徒が多い
  • 食べ物に対する感謝の念や食と農の繋がりが感じられない

そのとき、はっきりした答えは見つからなかった。

NPO法人として、オーガニック給食をなんとか実現したい。オーガニック給食には「教育」が深く関わっている。思いがつのったが、

何もできないまま、時がたってしまう。

切り口がない。

合意もできていない。

何より資金もなかった。

有機給食の資金源は?

その春、農林水産省から有機給食の助成金が出るという情報が入ってくる。

マイファームが窓口になって、助成金のお手伝いをしてくれるという、ハードルが下げられた状況だった。

即座に説明会を聞き、何度も担当の方に質問する機会を得た。

農林水産省の有機農業推進総合対策事業とは?

有機農産物のオーガニックの給食を一つの高校で考える機会を持ちました。

有機農産物の流通経路を作るための補助金で流通業者、学校、NPOなどで協議会をつくり、有機農産物導入の課題を構築、解決するための補助金です。

高校生、学校の先生、流通業者、委託業者、私達給食を手伝うNPO法人が協議会に入り、オーガニック給食が1日実現しました。

だが使い勝手が悪かった

なぜなら、学校、流通、NPOなどで協議会を作らなければいけず、

4月に発表された助成金は、年度末までに計画を終了し、終えないといけないからだ。

どうにも期間が短すぎる。

また、地場産をうたう地域が多い中、その地域に有機農家や環境直接支払いを受けている農家がいるとは限らない。

合意形成まで

簡単に話しがいくわけがない。もう予算立てして実行に移っている学校を説得し、

委託業者と合意形成し、さらに流通経路を見つけなければいけない。

それでも6月8日に帰国した足で、阿佐ヶ谷に向かい、

担当の先生に会った。やさと農協の専務と流通業者も一緒に行ってくださったのが心強かった。

学校側との話し合いが続く。中学の給食担当の星野先生は、とても協力的だった。

食べるOrganic協議会メンバー

高校生のプレゼン

まだオーガニック給食まで、糸口が見つからなかった。

そんな時、

委託業者

高校生

先生方

委託業者

NPO法人

で話し合いの機会を持つことができた。

そして、高校生がプレゼンをしてくれた。

その時、高校生から、「オーガニック給食日の実現」というプレゼンがあった。

内容は、私たちはさまざまな農業を見てきた。その中で有機農業を勉強したいと思った。

なぜなら環境にもいい、そして日本ではすでにいすみ市や武蔵野市でオーガニック給食が始まっている!

学校は、生徒たちを応援してオーガニック給食日の実現に向けて手伝いたいと意思表示を即座にしてくれた。

問題は、その学校の給食を受託している委託業者だった。実現は難しいと言う内容はこんな感じだった。

委託会社が有機給食を実現できない理由

委託会社が有機給食を実現できない理由

  • 委託会社は、いくつかの学校を担当しており、組織が大きい。その現場のみでは判断できない
  • 厳格な衛生基準を満たした契約業者が食材を納入できる。1回きりの業者からの納入は難しい
  • 普段から忙しい現場に、有機食材が入るのは難しい。

環境保全型農業直接支払交付金

平成23年度から化学肥料・化学合成農薬を原則5割以上低減する取組と合わせて行う地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い営農活動を支援しています。(農水省ウェブサイトより)