フランスの学校給食を変えた法律エガリム法①
エガリム法 Lois Egalim(食品三部会法)
ここがポイント エガリム法
- 2018年に制定された10省庁が関与するフランスの食に関する法律
- 公立の学校給食の50%は環境配慮されたもの、そのうち20%はオーガニックにしなくてはいけない
- 目的1 農業流通を改善し、農家に妥当な報酬を支払う(農家を保護)
- 目的2 健康的で環境配慮された食べ物を公共の食堂で取り入れる
Lois Egalim 2018年10月制定
フランスのスーパーや町では、大抵のものをオーガニックで見つけることができるようになった。シャンプー、服、バゲット、コーヒー、チキン、かぼちゃ、味噌。なんでも揃う。自分がそうしようと思えば100%オーガニックにするのはそれほど難しくない。
オーガニック(フランス語ではビオ)は、上質な生活の象徴のような存在でありつつ、庶民にも手の届く存在でもある。
数年前はこうではなかった。アジャンス・ビオの調査によると、フランスでオーガニック商品の2010年の家庭の消費は37億ユーロ、2020年には132億ユーロだった。10年の間に約3.5倍の消費となった。
フランス人の友人が「今、スーパーにオーガニックコーナーがないと誰も買い物に行かないよ」と言っていたが、オーガニックコーナーは、一番目立つところに数列に渡って商品が並んでいる。
ナッツ、豆、シリアル、粉類、砂糖、シャンプー、洗剤など、オーガニック製品が量り売りで購入できる。パッケージの削減対策がなされ、環境配慮が行き届いている。
2018年10月には、オーガニックをさらに加速させる法律が決まった。エガリム法(食品三部会法)
エガリム法では、50%を持続可能な材料、そのうち20%はオーガニックの材料にしなければいけない。
これから数回に分けてエガリム法を説明していきたいと思う
今必要とされている政策は?
どのように?
エガリム法は、300時間の議論され、5000以上の法案を改正、フランスの16省庁中10省庁関与している法律。
フランスの食べ物の調査で、フランスの食文化とは、多種多様な材料を使って、植物性と動物性食品のバランスが取れている。そして美食であり、コンビビアルであること
”コンビビアルとは、陽気な,社交的な,などの意味があるが(行事などが)にぎやかな (雰囲気などが)感じのよい,居心地のよい (価値観の違う者同士が)共生するという意味がある(Weblioより)”
ところが、今日の食品はグローバル化されており、多様性や文化が失われている。また動物性農産物は環境に影響を与え、食事の形式がスナック形式になり、健康、環境、社会への影響が懸念されている。
目的は?
そこで、解決法としてエガリム法の制定となった。
- フランスの食品主権を守る、農業の生産能力の構築
- 健康的な食品を促進しながら農業と大量流通のバランスを取る。
- 農業者に公正な報酬を
- 商取引関係の透明性
- 環境と健康配慮された食
- 健康的で持続可能な食品へ
- 食品廃棄をへらす
2022年 1月1日までに
50%は持続可能でクオリティの高いもの、そのうち20%はオーガニック製品
2024年 1月1日までに
60%を持続可能でクオリティの高いもの
という決まりができた。
エガリム法を制定した背景は?
なぜ制定したのか?
- 農業部門流通の関係を公平にするため
- 環境に配慮された食べ物
- 輸入とフランスの農業
- 農業生産をより促進するためにスーパーなどでの低価格競争をやめること
- →国民の1/7の食事を賄う公共食堂で展開
- 公共食堂は、国民の全年齢が利用する公平性がある